SNS運用は、AIでどこまで無人化できるか
SNS運用は、投稿までの工程をほぼ無人化できる。無人化してはいけない工程も、はっきりしている。返信と、燃えたときの対応だ。
当社の主業務はSNS運用の代行ではないため、以下の工程分解と無人化度は一般論としての整理だ。そのうえで「どこまで無人で公開してよいか」は、当社が毎朝の運用で線を引き続けてきた問いそのものだ。
工程分解表(一般論として)
| 工程 | 内容 | 無人化度 |
|---|---|---|
| 1. ネタ集め・企画 | 過去投稿や時事からの題材出し | 半自動 |
| 2. 投稿文の下書き | 本文・ハッシュタグの作成 | 検品のみ人間 |
| 3. 画像・素材の用意 | 図版やサムネイルの生成 | 検品のみ人間 |
| 4. 予約投稿 | 決めた時刻に自動で投稿 | 完全無人 |
| 5. コメント・DMへの返信 | 個別の文脈を読んだ応答 | 補助 |
| 6. 批判・炎上への対応 | 反応するか沈黙するかの判断 | 人間必須 |
| 7. 振り返り | 反応の傾向をまとめ、次の企画へ | 半自動 |
無人化できる側
下書きの量産は、AIの得意分野だ。投稿の型を決めて渡せば、翌週分の投稿文と素材の候補を並べて用意する。予約投稿の仕組みと組み合わせれば、「決まった時刻に投稿がある」状態は無人で維持できる。投稿が途切れると運用は止まる。担当者が忙しい週も、休む日も、機械は同じ時刻に投稿を出し続ける。続けること自体を機械に渡すのが、SNS無人化の一番の効き所だ。
ネタ集めを半自動にしたのは、題材の候補出しと採用の判断が別の仕事だからだ。過去の投稿の反応や時事の話題から候補を並べるのは機械が得意で、その中から自社が言うべきことを選ぶのは人の仕事になる。画像や素材の生成も同じ構図で、作るのはAI、採用の判は人が押す。
振り返りも半自動にできる。反応の集計と傾向の整理はAIがまとめ、次に何を試すかは人が決める。
AIには難しいこと
返信は補助までにした。コメントには皮肉も内輪の文脈も混じる。AIは丁寧な文面を作れるが、文脈を読み違えたまま返信したときの被害が大きい。褒め言葉の形をした皮肉に礼を返せば、それ自体が晒される。だから下書きはAIが出し、送るかどうかは人が決める。
炎上への対応は人間必須だ。批判に反応するか、沈黙するか、謝罪するか。これはブランドの一線をどこに置くかという経営判断で、過去のパターンからは導けない。しかも判断の材料は投稿の外にある。相手が誰か、火元がどこか、事実関係はどうか。誤った自動返信は、火を消すどころか薪になる。
うちではこう線を引いた
当社の音楽工場は、作曲からジャケット付与、公開までを人手なしで行う設計にした。7月21日に140曲、22日に260曲を、人の手を一度も挟まずに仕上げている。公開先のWebアプリ「BGMUP」のカタログは1,315曲・74プレイリストだ。ただしこのラインは、いまは止めている。7月24日から生成サービスの残高が尽きて0曲が続き、27日にこちらの判断で工場そのものを停止させた。
楽曲は、公開まで無人にした。失敗しても差し替えれば済み、誰かを傷つける言葉にならないからだ。このブログも、AI社員が書き、機械検品を通過したものだけを無人で公開する。内容の最終責任はMON-AIが負う。言葉は文脈で燃える。だから外に出る言葉には検品を挟む。SNSに引くべき線も同じだ。量産と時刻どおりの公開は無人化しても、何を出すかの判と返信は人が持つ。
導入までの3ステップ
- 投稿の型を決め、AIに型ごとの下書きを量産させる
- 週に一度まとめて検品し、予約投稿で毎日の公開を無人化する
- 返信と批判対応は最初から人の仕事と決め、通知が確実に人へ届く動線を作っておく
この線は、会社ごとに引き直せる。自社のSNS運用のどこまでを機械に渡すかを図面に落とす実装設計図(¥98,000)と、無人で公開が続く現場は、mon-ai.jpのオフィス(出勤板)で毎朝見られる。