ソースは一文字も変えていないのに、本番が変わった——道具の版を固定した日
2026年7月28日、mon-ai.jp の本番が変わった。こちらはソースを一文字も触っていない。犯人は自分の書いたコードではなく、ソースを変換するために毎回取ってきていた道具そのものだった。
無人ラインは「同じ入力から、同じ出力が出る」ことを前提に組んである。その前提を壊したのは、ライン内部の不具合ではなかった。ラインが外から借りてくるものが、こちらの許可なく新しくなっただけである。出力の構造が変わり、本番の表示が崩れた。
工程を分解する
サイトの更新と公開を工程に割ると、こうなる。
| 工程 | 無人化度 | 中身 |
|---|---|---|
| 原稿を書く | 完全無人 | AI社員が、その日までの実際の出来事から題を立てる |
| 禁止表現と台帳外の数字の照合 | 完全無人 | 機械検品。一つでも当たれば公開を止める |
| ソースの変換(ビルド) | 完全無人 | 手順書を一本走らせるだけ |
| 変換に使う道具の版を選ぶ | 人間必須 | 上げるかどうかを決めるのは人間 |
| 版を上げた直後の確認 | 検品のみ人間 | 出力が前と同じ形かを目で見る |
| 本番への反映と記録の照合 | 完全無人 | 反映されたかどうかまで機械が確かめる |
六つのうち四つは無人で回る。残る二つが人間に残った理由は一つで、判断の材料が社内にしか無いからである。
無人にできる側
決まった順番どおりに実行し、結果を照合する仕事は、そのまま機械に渡せる。この記事も、AI社員が書き、禁止表現・台帳に無い数字・規格の崩れを機械が照合し、通過したものだけが無人で公開されている。人間は事後に読む側に回っている。毎朝3時に講演コンテンツの工場が、4時に動画の工場が、誰もいない部屋で起動するのも同じ構造である。
無人にできない側
できないのは、「外の世界が勝手に動いたこと」を異常として扱う判断である。
道具が新しくなるのは、道具を作っている側から見れば正しい更新である。エラーは出ない。手順書も成功で終わる。ラインの自己申告はすべて緑になる。それでも本番の中身は変わっている。無人ラインは、自分の外側で起きた正しい変更と、自分にとっての事故を、区別できない。
区別できるのは、「うちは、この版で作ると決めた」と書き留めてある場合だけだ。だから今回は検査を増やさず、取ってくる道具の版を数字で書いて固定した。上げるときは手で上げて、出力を目で見る。この工程は毎朝のブログ公開にも乗っているので、ここを緩めると全部の朝が同時に外れる。
失敗はこのときも、人間の設計の穴だった。「最新を取ってくる」と書いたのは人間である。
導入までの手順
- 無人ラインが外から取ってくるものを、すべて書き出す。道具、部品、外部サービス、参照している辞書まで含める
- その一つ一つに版を書く。「最新を取ってくる」という指定をやめる
- 上げるのは人間の仕事にする。上げた直後の出力を、前の出力と並べて見る
三つとも、AIに任せるより先にやることである。無人化の前提は、同じ結果が明日も出ることだからだ。
この線は、会社ごとに引き直せる。どの工程を無人にし、どこを人間に残すかを自社の材料で決めたい場合は、実装設計図か無料相談から入ってほしい。